素材の基礎知識
2017/08/03
ポリエチレン(Polyethylene:PE)とは
通常、エチレン CH2=CH2の高重合体を指す。
高圧法(1,000~2,000気圧、200 °C前後)、または低圧法(チーグラー触媒系)で合成され、
前者を低密度ポリエチレン(LDPE)、後者を高密度ポリエチレン(HDPE)と呼ぶ。
低密度ポリエチレン(LDPE)
高圧法で生成したポリエチレンは枝分かれが多く、結晶化度は数十%しかなく、
透明度はよいが、機械的強度で劣る。密度は0.92g・cm-3付近。軟化点100 °C前後。
主用途は、食品・農業ハウス、産業資材用フィルムとしてが最も多く、
他には、牛乳・ジュース等の容器、クラフトテープ等の加工紙、電線被覆用に使用される。
高密度ポリエチレン(HDPE)
低圧法で生成したポリエチレンは枝分かれが少なく、結晶化度は95%に達する。
透明性、加工性、耐候性にやや劣るものの、硬さ・強さ・耐熱性等は、低密度ポリエチレンより優れている。
水の透過性が小さく、酸素や二酸化炭素の透過性がよいので、
生鮮食料品の保存や農業用フィルムに適している。
密度は0.95g・cm-3付近。軟化点120 °C前後。
フィルム用途だけでなく、ブロー成形や射出成型にも使用される。
*参考文献 「化学辞典」東京化学同人